大場建築では屋根材の留め付けは必ず玄能で釘を打ちます。
玄能とはトンカチのことです。
現在では釘打ち機という空気圧で釘が打てる機械があります。
うちにももちろんあります。
これがとても便利で子供でも大きな釘が打てるほどの性能です。
しかし問題が3つ。
1つ目は機械で打つのでしっかり留め付けられているかの判断が難しい。
2つ目は簡単に打てるので施工が雑になってしまう。正確さよりも速さを求めるようになってしまうんですね。
3つ目は簡単に抜ける。玄能で打つ場合と機械で打つ場合も打ち込んだ見た目は同じです。
しかしなぜか釘を抜こうとすると機械打ちの釘は釘抜きのバールで簡単に抜けてしまいます。逆に玄能で打った釘はバールを使用しても簡単には抜けませんよ。
なぜか?と、そんな理由はどうでもいいんです。手打ちの釘は抜けにくい!これだけ知っていれば理屈はいらない。
理屈は頭のいい人が考えればいいので。
これ、大工であれば常識なんですけど効率重視の現代ではそこは重視されません。
逆にこんなことしていると笑われますよ。
わかってくれる大工さんは文句も言わず打ってくれますよ。
みなさん建築組合の先輩大工さんです。
まあ「腕が疲れるなー」とか「久しぶりだなー」とかは言いますけどね。
みなさん黙々と打ってくれました。
当日は天気が悪かったので早く屋根を片付けたかったんですけどそこは譲れませんので。
効率よくするのと手抜きは紙一重です。
うちの場合は手打ちをしないと手抜きをしたということですので。
家造りの大事なところはほとんどが見えない部分ですよ。